近年オーストラリアは比較的治安のよい国と思われていますが、日本と比較するとまだまだ犯罪は多発している国です。特に麻薬に関連した犯罪が増加しており、どこに犯罪の脅威があるかわかりません。自分の身は自分で守れるように、事前に情報を集めておきましょう。
オーストラリアの治安レベル
外務省(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_071.html#ad-image-0)によると現在オーストラリアで危険情報や感染症情報は出ておりません(2020年2月)。オーストラリアでは銃の規制が厳しく、一般人に対して所持している銃の自主提出を求めて銃の回収を行うなどの取り組みも行われています。
またアメリカの『The Global Peace Index』が調べた「世界の安全な国ランキング」によると、2019年オーストラリアは14位にランクしまし、比較的安全な国と思われる人も多いのではないでしょうか。(日本は9位)参照:http://worldpopulationreview.com/countries/safest-countries-in-the-world/
しかし、日本の治安を前提に過ごすと、犯罪に巻き込まれることが多いので注意が必要です。オーストラリアで日本人がよく合う被害についてご紹介します。事前にきちんと対策をしておきましょう。
オーストラリアで日本人が被害に合うトラブル
盗難
現地の人にとって観光客などの外国人は大金をもってオーストラリアに来ている、と思われがちで、盗難やスリの被害にあいやすいです。特に日本人では日常であまりひったくりや盗難を見かけないため、危機意識が低くなっているところに漬け込まれやすいです。近年、窃盗や恐喝などの犯罪が増加しており、夜間の街中で暴行を受け財布などを強奪される事件も起きています。比較的安全だと言われている地域でも、夜間はガラッと様子が変わりますので、できる限り夜間の一人歩きは避けましょう。どうしても外出が必要な場合は明るく人通りの多い通りを歩きましょう。
置き引き
総領事館からの犯罪被害で最も多かった報告が、置引きの被害です。その中でもカフェで友人と談笑中に椅子に下に置いていたバッグを盗まれたり、テーブルにおいて目を離した隙にスマートフォンを盗まれるケースも多く報告されています。席の場所取りのために、テーブルや椅子などに荷物を置くのも絶対にやめましょう。
他に注意が必要なのは路上パフォーマンスを見ている隙にカバンのチャックを開けられ所持品を盗まれるケースです。外出先では、バックは膝の上置いたり、リュックを前で背負ったりなど目を離さないようにしましょう。
メルボルン市内では、図書館、カフェ、レストラン、ナイトクラブで、特に置き引きの被害が発生しています。
薬物
薬物の使用、所持、製造は法律で禁止されおり処罰の対象です。しかし、オーストラリアは日本と比べると薬物などへのアクセスがとても容易です。覚せい剤、コカイン、大麻、合成麻薬といった違法薬物は広く蔓延しています。オーストラリアでは日常的にマリファナなどを吸う人も多く、寮やパーティーでも見かけるほどです。
ナイトクラブやパーティなどに遊びに行った際、出会った人や友人に薬物や何かわかないものを勧められても絶対に手を出さないでください。
野生動物
自然豊かなオーストラリアだからこそ、野生の動物に注意が必要です。休暇にビーチに行く人も多いと思いますが、オーストラリアではほぼ毎年ビーチで人がサメに食べられて死ぬ被害が多発しています。世界のサメ事故件数も、オーストラリアは2012年から連続一位を記録しています。運営が決めている遊泳エリア以外に立ち入ったり、泳ぐのはとても危ないので気を付けましょう。
他にも、野鳥にも注意が必要です。繁殖シーズンの8月は親鳥がヒナを守るために攻撃的になることがあります。2019年8月にもシドニーで自転車に乗っていた男性がカラスに襲われた事故がありました。市民団体が運営する「マグパイ・アラート」のウェブサイトによると、今年に入って確認された襲撃件数は全土で1570件、そのうち負傷者は189人に上っています。その中でも被害にあった70パーセントはサイクリング中の負傷が多いと報告されています。オーストラリア人もこの季節はカラスから身を守るために大きな棒を持って歩いたり、結束バンドを何本もヘルメットに突き立てて自転車に乗って対策しているとのことです。
性犯罪
オーストラリア統計局(Australian Bureau of Statistics)によると、5人に1人の女性、25人に1人の男性は性的暴行を受けたことがあるそうです。さらに加害者は知らない人からではなく、友達や知り合いからの犯行であるとのこと。女性だけでなく、男性も性犯罪への注意が必要です。
特にナイトクラブやホームパーティなど、気が緩みお酒が入ると判断力が鈍り、最悪の場合は飲み物に睡眠薬を入れられて意識のない状態で被害に合うケースもあります。
パーティなどは本当に親しい人のところのみに参加したり、お酒はなるべく飲まないようにして自分の身は自分で守りましょう。