ご存知の方が多いとおり、日本国内と海外の新卒の就職活動の仕方を比較すると、大きな違いがあります。新卒が(なぜか)とても重宝される日本とは違い、働いた経験が重視される海外では、大学や短大の期間中にインターンシップをする学生がとても多いです。
日本国内でのインターンシップは、比較的「1DAYインターンシップ」や「5日間インターンシップ」というような、就活のために企業の人事に「名前を覚えてもらう」ための“超短期”インターンシップが一般的。
海外でのインターンシップを国内と比較すると、国にもよりますが、基本的に3か月以上などの長期インターンシップで「実践的な経験を積み、スキル得る」ことが一般的です。
もちろん、日本国内でも海外のような長期のインターンシップが増えてきています。皆さんの周りにも長期のインターンシップに行っているという方も多いのではないでしょうか?また、日本でも海外志向の若者が増えてきていることで、海外インターンシップに挑戦する人も増えてきています。
そんな、国内外での長期インターンシップが一般的になりつつある中、よく議論されているのが、国内と海外インターンシップとの比較。国内インターンシップだけでも十分な経験は得られるし、違いは特にないため、わざわざ海外に行く必要はないという意見を持っている人も多いかもしれません。(私の周りには割といました。)
そこで、国内インターンシップと海外インターンシップと比較した際、2つの違いがよくわからないという方のために、実際に国内と海外インターンシップ両方を経験したことがある現役インターンシップ生(私)が、2つのインターンシップを徹底的に比較していきます!
また、今回の比較の仕方として、あくまでも私が経験した「事実」をご紹介していきたいと思います。メリット・デメリットは人それぞれの目的や価値観で違うと思われるので、私の経験を参考に、国内インターンシップと海外インターンシップの違いを皆さん自身で比較していってください!
国内①:エネルギー自由化コンサルティングベンチャー企業
まず初めに、私が人生で初めて挑戦したインターンシップ(国内)での経験をご紹介していきます。
初めてのインターンシップということもあり、正直インターンシップがどのようなものかよくわかっていない状況。また、社会の一員として「働く」ということの責任感も全くありませんでした(苦笑)
この企業でインターンシップをしようと思ったのは、当時、CSR(企業の社会的責任)について関心があり、CRS支援事業も行っている点が魅力的だったため、インターンシップに応募しました。
私の場合は、就活で有利になるとか、履歴書に経験が書けるからとかいう理由ではなく、純粋にCSRについて学びたいという理由で、かなり受け身のスタンスでした。
今考えると反省しかないインターンシップだったのですが、そんな私の反省を含め、温かい目でご覧ください(笑)
企業情報
まずは、インターンシップ先の会社の情報をご紹介します。(私がインターンシップをしていた当時の状況です。)
- 業界:環境/エネルギー業界
- 事業内容:エネルギー自由化・デジタル化コンサルティング/CSR支援事業
- 規模:ベンチャー
- 場所:東京都
- 社員数:正社員3人、アルバイト1人、インターン3人
- 服装:自由(社員はスーツ)
- 雰囲気:とても静か。インターン生にはとても優しい。インターンシップ生以外は全員男性。
最初のインターンシップの企業は、企業のエネルギー自由化・デジタル化のコンサルティング会社でした。環境/エネルギー分野というニッチなビジネスを行っており、事業内容を理解するのも難しかったことを覚えています。
社長さんと関わる機会はほとんどありませんでしたが、ベンチャー企業のわりにとても大らかで優しい印象のある社長さんでした。(私がインターンシップ生だったからということもあると思いますが。)
また、ベンチャー企業と言うと、フラットな関係かつ社員みんなガツガツした体育会系というイメージを持っていましたが、こちらの会社はそういう雰囲気は全然なく、社員の方も落ち着いている方が多く、でもまじめにコツコツ働いているという印象でした。
インターンシップ内容
続いて、こちらの国内企業で私が実際に行っていたインターンシップの内容をお伝えします。
- 期間:2か月
- 頻度:1週間に1‐2日
- 時間:1日最低4時間
- 給料:無給
- 業務内容:
- 自社サイトに投稿するためのエネルギーに関する用語説明の作成
- 新しいメディアに投稿するための記事作成
- マニュアル作成
- 事務作業
特徴①:フレキシブルさ
こちらの、初めての国内企業でのインターンシップは、とてもフレキシブルな環境。毎日来る必要もなければ、丸一日働く必要もありませんでした。
短大から4年制大学に3年次編入した私は、もちろん3年次の秋でもたくさん単位を取る必要があります。また、大学が都心からとても離れていたため、会社に行くまでにかなり時間がかかり、インターンシップ自体にあまり時間を割くことができませんでした。そのため、このフレキシブルな環境は当時の私にとっては好都合。
しかし、そのフレキシブルさの一方で、週に1回か2回、しかも1日4時間程度しかインターンシップにコミットできなかったため、与えられていたインターンシッププログラムのほとんどを達成できないまま最初のインターンシップは終了。
特徴②:インターン生用プログラム
また、こちらのインターンシップは、インターンシップ生用のプログラムコースが既にマニュアル化されており、会社の事業をサポートするというよりは、そのプログラムを自分のペースで達成させることが目的でした。そのため、会社の一員として“働いている”という責任感はあまりなく、モチベーションを保つことが難しかったです。
もちろん、それは働く環境のせいではなく、自分の中でのインターンシップの優先順位の問題です。同じ時期にインターンシップをしていた子たちは、私よりももっとインターンシップにコミットしていたため、より多くの業務を達成し、社員の方とのコミュニケーションの機会も比較的多く、もっと充実していたと思います。
フレキシブルな環境は、フルタイムと比較して、大学生活やアルバイトとの両立をするにはいいかもしれませんが、その分インターンシップにコミットできないということでもあります。それを頭に置いて、短い時間でも自分ができることは何かを常に考えて行動しないと、時間の無駄になってしまうということを学びました。
国内②:ウェブマーケティングベンチャー企業
次に経験したのは、国内のウェブマーケティング会社でのインターンシップ。
大学4年生の日本国内での就活中に出会った企業で、会社の価値観や社長の価値観に自分と近いものを感じると思い、インターンシップを希望しました。
当時はウェブマーケティングって何?どんな仕事?という全くの未経験・無知の状態だったのですが、会社のホームページなどを見て、本当に価値あるモノの情報を広く伝える仕事に魅力を感じ、ウェブについて学んでみたいと思ったのもインターンシップに応募した理由でもあります。
こちらのインターンシップでは、最初のインターンシップでの教訓から、自分の中でのインターンシップの優先順位を高くして、責任感を持って取り組もうと心に決めていました。
企業情報
それでは、具体的なインターンシップの取り組み内容についてお話しする前に、こちらの企業の情報をまずはお伝えしていきます。
- 業界:ウェブ業界
- 事業内容:ウェブマーケティング/ウェブコンサルティング事業
- 規模:ベンチャー
- 場所:東京都
- 社員数:正社員20人、インターン6人
- 服装:自由
- 雰囲気:比較的体育会系で愛社心が強い。男性が多い。フラットさはなく、マナーや言葉遣いに厳しい。年齢層が低く、プライベートでは皆で遊びに行くなど、オンオフがしっかりしている。
2つ目のインターンシップ先は、最初と比較するとかなりベンチャー気質が強かったです。愛社心が強いためか、会社の発展のために働くという考えの人が多く、それゆえ長時間労働もいとわないというような印象でした。(ベンチャー企業だったこともあると思いますが。)
インターンシップ内容
では、こちらの2つ目のインターン先で私が携わっていた業務について、お話ししていきます。
- 期間:3か月
- 頻度:1週間に3-5日
- 時間:10-19時
- 給料:1,000円/時給 + 交通費
- 業務内容:
- ドメインとサーバーの紐づけ
- クライアント案件のウェブコンテンツ作成
- WordPressまたSiriusへのコンテンツアップロード
- 画像の編集
- Naverへの投稿
特徴①:基本的に自分で問題解決
こちらの企業では、インターンシップ生もかなり裁量を持って働かせていただきました。本当に社員の人と全く変わらないレベルで、一からウェブに関する研修等を行い、自分でウェブサイトを立ち上げるところからスタートしました。
ウェブの知識が皆無だった私は、自分がその時やっている業務の原理を理解することにとても苦しみました。マニュアルは用意されていたのですが、マニュアルを見ながら「私は今何をしてるんだろう」「これをすることで何が起きるんだろう」と思っていることが多かったです。
そういう疑問を持った時も、基本的にGoogleで自力で調べてもわからなかったら先輩に聞くことと厳しく教えられます。このおかげで、自分の力で答えを見つけるというリサーチ能力が鍛えられました。(実際にウェブの問題はインターネット検索でほとんど答えが出てきます。)
それと同時に、「先輩に質問することは先輩の時間を奪うこと」と教えられたため、私の中で気軽に先輩に質問することはできなくなりました(笑)でもそれも、時間を大切にするという社会人としての常識を教えていただいたのだと思います。
特徴②:マナーには特に厳しい
社内も男性の割合が高く、しかも体育会系の雰囲気があり、ベンチャー企業っぽいなあと思っていました。しかし、私がイメージしていたベンチャー企業のフラットさはあまりなく、本当に体育会系の「先輩を敬う」文化のようなものが根付いているようでした。
また、ベンチャー企業だからと言って、カジュアルになりずぎず、社会人としての礼儀やマナーはしっかりと身につけなければいけないという社長の考えから、社外はもちろん、社内での言葉遣いやメールの文面、ビジネスマナーにはとても厳しかったです。
私自身はとことん文化系なので、体育会系の厳しい上下関係に慣れておらず、THE体育会系な上司のことが恐く、仕事をする時はいつも緊張していました(笑)
特徴③:飲ミニケーションがさかん
しかし、プライベートでの関係性は一変。年齢が近いこともあり、一緒に花火大会に行ったり、キャンプを企画したり、毎週金曜日は皆で飲みに行ったりと、オフィスから出ると急にみんな友達になります(笑)
皆でご飯に行ったり、会社外で親睦を深めようとするのは日本の会社の特徴な気がします。
このように、2番目のインターン先では、ウェブに関する知識や技術だけではなく、社会人として働くという責任感やマナー・礼儀についてもたくさん学ばせていただきました。感謝です!
海外:人材紹介中小企業
それではお待ちかねの海外インターンシップでの私の経験をご紹介していきます!
「海外で働く」という漠然として夢を捨てきれず、日本で内定を頂いていた企業の内定を辞退し(笑)、大学卒業後、現在のシンガポールでの海外インターンシップに飛び込みました。
周りからは思い切った決断だねと言われます。賛成してくれる人もいれば反対してくる人もいました。しかし、今はもっと働く国や場所を柔軟に選べる時代になってきているし、自分の決断に自分で責任を持っていさえすれば、海外で働くという決断をそこまで深刻に捉える必要はないのでは?と思っています。
こんな大口を叩いている私ですが、実は、現在のシンガポールでの海外インターンシップを始める前はかなりびびっていました(笑)
シンガポールでインターンすると言うと、海外事情に詳しい友人からは「凄く競争率が高い」「結果主義でインターンシップでもすぐにクビにされる」という答えをたくさんもらいました。そんなわけで、シンガポールで就職する前にインターンシップもクビにされるかもしれないという恐怖心でいっぱいでした。
また、私の英語は日常会話などの簡単でシンプルな会話なら困らないレベル。ビジネスレベルの英語を理解できるのか、コミュニケーションは取れるのかなどの不安もありました。
では、そんな私の恐怖心や不安は果たして払しょくされたのか、友人の情報は正しかったのか、私の海外インターンシップの詳細をご紹介します。
企業情報
まずは、現在お世話になっている海外インターンシップ先の基本的な情報です。
- 業界:人材業界
- 事業内容:人材紹介事業
- 規模:中小
- 場所:シンガポール
- 社員数:正社員30人、インターン2人
- 服装:スマートカジュアル(金曜日はカジュアルでOK)
- 雰囲気:フレンドリーでアットホーム。リクルーター間の協力意識が強い。ほぼ女性。
現在の海外インターン先の企業は、シンガポールローカルの人材紹介会社です。中小企業ということもあり、社長も落ち着いたフレンドリーな方です。
シンガポールでインターンを始める前は、シンガポールの企業はきっと社内でも競争的で殺伐とした雰囲気なのだろうと、温室育ちのNは、シンガポールでけちょんけちょんにされることを覚悟して来ていました(笑)
しかし、そんなシンガポールのイメージとは裏腹に、私の現在の海外インターンシップ先の企業はとてもアットホームな環境で大変驚きました。
インターンシップ内容
それでは、私がシンガポールでの海外インターンシップでどのようなことをしているのか、具体的な業務内容をご紹介します。
- 期間:6か月
- 頻度:フルタイム
- 時間:9-18時
- 給料:SGD 900
- 業務内容:
- 自社サイトのためのウェブコンテンツ作成
- WordPressでコンテンツ投稿
- 画像の編集
- リクルートメントサポート
特徴①:自分がやりたいことができる
現在の海外インターンシップ先では、ここには書ききれないほどの仕事を任せていただいています。更に、私はウェブマーケティングとリクルートメント両方のサポートをさせていただいているので、両方の知識やスキルを身に着けることができることができてとても嬉しいです。
おそらくタスクのバリエーションは、インターンシップ先の企業はどのような事業を行っているのかによると思います。しかし、ここまで中小企業でもインターン生も裁量を持って働くことができるのは、海外インターンシップの特徴でもあると思います。
面接の時には、私が日本国内のインターンシップでどんなことをしてきたのか、また、シンガポールの海外インターンシップではどんなことをしたいと思っているのかヒアリングしてくださり、日本で培ったウェブのスキルを、ここシンガポールでも活かすことができ、個人的にとても充実しています。
特徴②:マナーはきちんとある
シンガポールでも、服装やメールの文面、報告内容など、ビジネス上必要なルールやマナーはしっかり教えていただいています。
確かに、日本でのインターンシップと比較すると、日本ほど言葉遣いや立ち居振る舞いに厳しくはありませんが、どこの国に行っても、丁寧さや細かな心配り、礼儀やマナーは重宝されますし、最低限は同じです。
特徴③:女性が活躍している
また、社員30人中ほとんどが女性で、女性の私からすると、今までのインターン先の中で一番安心して働くことができる環境な気がします。
特に私のインターンシップ先の会社では、マネージャーポジションが全員女性。家庭を持ちながら働く女性や、妊娠中でも働く女性など様々です。
そんな女性たちが多い職場では、同じ女性として、どのように社会で活躍していけるのか参考にすることができます。
まとめ
これまでの私、Nの経験から、日本国内と海外インターンシップを比較してきました。
今回2種類のインターンシップを比較して分かったことは、日本には様々なタイプのインターンシップがあること。しかし、海外では基本的にインターンシップ生も裁量を持って働くことができるのが一般的であることということです。
会社の雰囲気については、国の違いもありますが、シンガポールの方が文化の違いもあり、比較的穏やかな印象です。やはり日本の企業は日本独特の文化があるので、ルールやマナーに厳しいところが多いです。
会社の雰囲気は企業によって異なると思うので、面接の時に実際に働いている方や社長とコミュニケーションは取りやすいか確認することをおすすめします!
国内インターンシップと海外インターンシップの比較に少しでもお役に立てていたら幸いです!
[box class="pink_box" title="シンガポールでインターンシップに挑戦"]シンガポールでインターンシップに挑戦しよう!
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