海外インターンシップに挑戦したい人の中には、学生の方かた社会人の方まで様々いらっしゃると思います。中には、日本でのインターンシップを経験したことがある方、既に大学を卒業されて働かれている方もいるかもしれません。しかし、インターンシップやオフィスで働く経験をしたことがないという方も多いのでは?
初めての海外、初めてのシンガポール、初めての海外インターンシップ、初めての社会経験…そんなたくさんの“初めて”の中でいきなり働くことは、とても勇気がいることですよね。
また、たとえ日本での社会経験があったとしても、シンガポールと日本とでは文化も人の考え方も違います。文化が違うということは、働き方や働く環境も違うということ。では、シンガポールの会社での1日の流れ・スケジュールは、シンガポールと日本ではどのように異なるのでしょうか?
シンガポールで海外インターンに挑戦したいと考えている方のために、今回は実際にシンガポールで海外インターンシップに挑戦する2人の方に、1日のスケジュールを伺ってみました!シンガポールのローカル企業と日系企業との流れの違いにもご注目ください!
シンガポールローカル企業でのインターンシップ
まず初めに、シンガポールのローカル企業で海外インターンシップに挑戦しているNさんにインタビューしてみました。1日の流れをご紹介する前に、どんな会社で働いているのか伺いました。
Nさんがインターンシップしている企業
- シンガポールのローカル企業
- 業種:人材紹介会社
- 場所:タンジョンパガー(Central Business District)
- 規模:30名程度(日本人2名、その他シンガポール人、マレーシア人、フィリピン人、韓国人)
- 社内言語:英語
- 支社:シンガポールの他にマレーシア、タイ、フィリピンに支社あり
- 主なインターンシップ業務:海外インターンシップ事業のマーケティングサポート/リクルートメントサポート
Nさんがインターンしている企業は、シンガポールのローカル企業と言うこともあり、日本人の人数が少ないことが分かります。また、シンガポール人だけではなく、様々な国から人を採用しており、社内の多様性が伺えます。しかも、30名程度の従業員のうち、女性が25名ほどを占めており、マネージャーも全員女性だそう。シンガポールでの女性の活躍ぶりがわかりますね。
それでは続いて、Nさんが実際にこのシンガポールのローカル企業で、どのようにインターンシップ生活を送っているのか、1日の様子をご紹介していきます。
Nさんの1日のスケジュール
8:30am
出社
始業時間は9時ですが、できるだけ早く出社するようにしています。同僚が教えてくれた、会社の近くの美味しい朝ごはんとコピ(シンガポールのローカルコーヒー)を売っているお店で、料理とコピをテイクアウトすることも。シンガポールでは朝から外で食べる人が多いため、9時以降に行くと朝ごはんは売り切れてしまうそうです。
8:45am
ページランクチェック
まずは、海外インターンシップ事業で扱うウェブサイトがGoogle検索で何位にいるのかをチェック。毎日の日課です。少しでも上がってたらとってもHappy!1日の気分がここで決まります(笑)
9:00am
ポテンシャルクライアント企業のリスト作成
できる限りたくさんの求人を自社サイトに掲載できるように、現在インターン生を募集している企業を探して、リストを作成します。これが案外大変!(笑)でも、海外インターンシップを目指す方にできるだけ多くの求人をご提供できるように日々頑張って探しています!
10:30am
リクルーターズミーティング
マーケティングサポート以外にも、リクルートメントのサポートもしています。この日は、2週間に1度のリクルーターズミーティングに参加しました。誰がどれだけの成果を上げたのか、進捗はどれくらいなのか、てきぱきと報告していきます。参加するだけでも凄く緊張…リクルーターってすごいなあ。
10:45am
Facebookへの記事投稿
会社のFacebookアカウントでビジネスに関する英文記事を投稿します。ビジネス英語は難しいけど、英語の勉強にもなるし、最新のビジネストレンドを知ることができて一石二鳥な業務!
投稿する際はキャプションをつけるのですが、これもなかなか大変。記事をちゃんと理解しているか、短くキャッチーな文章を英語で書けるかなどの能力が問われます。マネージャーに提出して、訂正なしでキャプションが返ってきたときは嬉しい!
11:15am
ウェブサイトの翻訳
海外インターンシップ事業は、日本人だけではなく、ヨーロッパや他のアジア諸国の人々向けにも展開しています。英語版サイトは立ち上げたばかりなので、日本語から英語に翻訳して、サイトに投稿する業務を任されています。
ここでは、いかに自然な英語表現を使えるかが闘い。後からシンガポール人スタッフにも英語を確認してもらいますが、日本語から英語に訳せるのは日本人の私だけなので、細かなニュアンスも伝えられるように心がけています!
12:00am
ランチ
待ちに待ったランチタイム!どこでお昼を食べるのかは日によって変わりますが、会社近くのホーカーセンターがリーズナブルで私のお気に入り!
会社のオフィスが入っているビルには、プールがあるフロアーがあるので、テイクアウトしてプールサイドのテーブルで同僚たちとランチ。
食べ終わった後はプールサイドのビーチチェアに寝そべってお昼寝をしています(笑)吹き抜ける風が心地よく、午後からの生産性も上がるため大好きな日課です。
シンガポールの企業は、日本の企業ほど時間に厳しくないので、いつもついつい長めの昼休憩を取ってしまいます…(その分長く働かなければいけませんが)
1:15pm
ウェブサイトの記事作成&投稿
日々のインターンシップ業務の中で一番時間がかかる作業が、こちらのサイトのコンテンツライティング。私は集中して一気に書き上げたい派なので、午後の時間が取れる時にまとめて書き上げます。
お昼寝の効果もあって頭が冴えている間に書き上げることが理想!でも結局いろいろな業務を任せていただいていることもあり、なかなか進まない日もしばしば。
ライティングが終わったら使う画像を選択・編集し、ウェブサイトにまとめてあげます。記事を投稿した次の日は、ページランクをチェックすることが楽しみ。
4:30pm
海外インターンシップ事業ミーティング
1週間の中でも特に緊張する時間がこの海外インターンシップ事業の会議。CEOも参加する、毎週開かれるミーティングです。1週間自分が何をしたか、どれくらいの成果を得られたのかを報告していきます。
私はいつも、自分が言いたいことを準備して会議に臨むのですが、CEOに質問されて答えられないことや、考えていることはあっても英語でうまく伝えられないことが度々あって、いつも悔しい思いをしています。自分の知識の浅さや英語力のなさを反省し、痛感するので、モチベーションを維持する良い機会でもあります。
6:00pm
ミーティング内容のまとめ・報告
会議が終わったら、すぐに会議での議事録をまとめ、チームメンバーとCEOに報告します。この議事録を参照しながら次の週に皆が業務を行うため、とても重要な作業です。ちなみに、議事録は英語で「minutes」。覚えておくと役に立つかも?
6:15pm
退社
私がインターンをしている企業は午後6時が退社時間。日本では残業する人が多いと思いますが、シンガポールではほとんどの人がすぐに帰ります。大体6時15分くらいにぞろぞろ帰り始める場合が多いです。もちろん仕事が終わらない場合には残業している人もいますが、残っていても8時くらいには皆いなくなります。
Nさんのインターン先での1日はこのようなスケジュールになっています。日本にオフィスがある企業と比べると、フレキシブルさが目立つかもしれません。また、幅広い業務を任せてもらえる環境があるのもわかります。
日系企業でのインターンシップ
それでは続いて、シンガポールの日系企業で海外インターンシップにチャレンジしている、Sくんの1日についてご紹介します。シンガポールの現地企業と日系企業でのインターンシップはどのような違いがあるのでしょうか?比較しながらご覧ください。
Sくんがインターンシップしている企業
- シンガポールの日系企業
- 業種:人事・組織コンサルティング会社
- 場所:テロックアヤ(Central Business District)
- 規模:11名程度(日本人6人、シンガポール5人)
- 社内言語:日本語7割/英語3割(社内のシンガポール人は日本語が話せるため)
- 支社:シンガポールの他に日本、タイ、アメリカに支社あり
- 主なインターンシップ業務:コンサル業務のサポート/ウェブマーケティングサポート
このように、NさんとSくんのインターンシップ先企業を比較すると、Sくんの企業では社内言語は日本語がほとんどであったり、日本人の割合が比較的高いことが伺えます。日本人がシンガポールでどのように活躍しているのか、働き方をすぐそばで学ぶことができる機会が日系企業の強みでしょう。
では、Sくんは、こちらの日系企業でどのようなインターンシップをしているのでしょうか?実際のSくんの1日のスケジュールを見ていきましょう!Sくんの業務内容は日によって変化が激しいため、2つのパターンをご紹介していきます。
Sくんの1日のスケジュール:パターン①
8:40am
出社
僕がインターンしている会社も9時が始業時間ですが、いつも少し早めに来るようにしています。
僕の毎朝のルーティーンは、出社してからまずパソコンの電源をつけて、オフィスに備え付けられているパントリーでコーヒーを入れること。朝ごはんは基本的に家で食べますが、パントリーにあるお菓子を食べることもあります(笑)
僕の会社の人は9時前にはほとんどの人が出社します。
9:00am
メールとwebマーケティングソフトのチェック
僕が任されている業務は主に2つあって、その1つがウェブマーケティングのサポートです。
まずはメールのチェックとそのWebマーケソフトのチェックから業務をスタートします。僕がインターンしている企業は、人事コンサル事業を行っているので、無料のセミナーなどを開催することがあります。
このソフトは、そういった自社のホームページ上にあるセミナーの申し込みフォームと連携された顧客管理システムです。ソフトをチェックして、ポテンシャルクライアントの情報がホームページから届いていた場合は、営業の方にその情報を回します。
ホームページ上の申し込みフォームとソフトがきちんと連携されていれば、全てがスムーズにいくのですが、新しく投稿したページのものがうまく機能しない場合、この作業に半日費やしてしまうことも多々あります…
9:30am
社内ミーティング
1週間に1回、クライアント業務の進捗報告や情報の共有を行うのが社内ミーティングです。その際、議事録を取るのですが、これがとても大変。コンサルティング会社の特徴でもあるのか、かなり細かく議事録を取るように言われています。
例えば、決定事項とTODOを表にまとめたり、会議中に誰がどんな発言をしたのか、誰がどの業務を担当するのかなど。海外インターンに参加しなければ、議事録がこんなにも大切なものだったなんて知らなかった!
11:30am
ランチ
ランチは、営業などが入らない時は、近くのホーカーセンターかもしくはカフェで済ませています。日系の企業ですが、ランチタイムはとてもゆっくりしていて、1時間半くらい取っても問題ありません。
12:45pm
自社ホームページ更新作業
新しいセミナー情報や、コンサルティングの事例、レポートなどの新しい記事を作成し、自社のホームページに投稿する作業を行います。投稿する前には、上司の方にチェックしてもらうのですが、専門的な内容なので、自分がしっかり理解しておく必要があります。
4:00pm
クライアント資料翻訳
クライアントにプレゼンなどをする場合、その資料を翻訳しないといけません。
日系企業がクライアントだったとしても、僕の会社のように従業員はローカルの場合が多いので、資料を日本語から英語に翻訳する必要があります。また、その逆もあるので、翻訳作業は日本語から英語、英語から日本語、両方です。
人事制度の設計に関する資料の翻訳なので、専門的で難しいですが、勉強になります。
7:00pm
退社
僕がインターンしている企業も、ほとんどの人が定時で帰ります。人事コンサルをしている企業でもあるので、できるだけ皆が定時に帰れるようにと配慮してくれていてありがたいです。帰ったら時間があるので、週2日に1回はジムに行って汗を流しています!
Sくんの1日のスケジュール:パターン②
8:40am
出社
この日もお決まりの、パソコンの電源をつけて、コーヒーを入れるルーティーンから。少しでも時間を短縮したくて(笑)
9:00am
クライアントへの資料等準備
この日は、もう一つの主要な業務である営業サポートがメイン。1日を営業に費やします。クライアントのもとに行く前に、午前中は資料の準備を念入りに行います。
12:00pm
ランチ
クラインアントのもとに行くついでにちゃちゃっとランチ。忙しい1日ではありますが、いつもより高級な日本食を上司の方が奢ってくださることも。普段はあまりできない贅沢に疲れも吹っ飛びます!(笑)
1:00pm
クライアントミーティング
午前に頑張って準備した資料で事業の提案を行います。このようなビジネスの場に同行させてもらえること自体が貴重なので、海外インターンに来てよかったと感じる時間です。
また、クライアントはシンガポールの中でも様々な場所にオフィスを構えていることが多いので、色んな場所に行くことができるのも楽しみの一つ。ウッドランズなど、ビジネス街とは違った雰囲気のある場所に行くと、シンガポールの新たな一面を見ることができます。
7:00pm
直帰
会社に戻る時間がない時は、クライアント先から直接家に帰ります。
Sくんが海外インターンシップで活躍している日系の企業も、日本にある企業と比較するとフレキシブルであり、ワークライフバランスが良いことがわかります。また、自分が希望すれば幅広い業務を任せてもらえるのも魅力的。シンガポールにある企業自体が日本の企業と比べると働きやすい環境にあるのが特徴のようです。
Nさんがインターンするシンガポールのローカル企業と比較すると、日本人らしい細やかな業務が目立っているように思います。
まとめ
シンガポールでの海外インターンシップの1日の様子がイメージできましたか?
もちろん、働き方や仕事内容は企業によって異なりますが、シンガポールのローカル企業と日系企業を比較すると、どちらもワークライフバランスがよく取れ、柔軟に働くことができることがわかりました。
そんな企業での海外インターンシップは、シンガポールの生活を楽しみながらインターンシップを充実させることにぴったりの環境です!皆さんも是非、シンガポールでの海外インターンシップに一歩踏み出してみませんか?
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